ご覧いただきありがとうございます。
毎月ちょこちょこ本は読むのですが、今月読んだうちの1冊です。
偶然、Amazonの「今月の新刊」みたいなお知らせを目にして、ポチッと購入して読みました。
Contents
タイトルに惹かれた
元々堀江さんの本は大学生くらいの時にまとめて読んでいて、井川意高さんのことは事件のあった時にニュースで目にして知っていた、という感じでした。
堀江さんの本はベストセラーになった『ゼロ』も読んでいたので、刑務所での話なども読んでいたのですが、井川さんの本は読んだことがなかったので、今回は井川さんに惹かれて読んでみたいと思って手にしました。
そして、普段、「振り幅」というか「人の持つ幅の広さ」に結構興味関心が強く、例えば、「北野武さんとビートたけしさん」の幅だったり、累計納税額日本一で「エロ本がどうのこうの」とか講演会で平気で笑いながら話しちゃう斎藤一人さんの幅だったり、そういった「幅フェチ」(?)なので、今回のこの本のタイトル『東大から刑務所へ』という幅が端的に表されているところに惹かれました。
スパッと感、ざっくばらん感が面白い
発売日の前日くらいにAmazonで見つけて、予約注文という形で注文して、届いたのが発売日の翌日で、そこからちょいちょい読みました。
ちょいちょい読んだのには理由があって、最初の何章かを読んで、『井川さんのスパッと感、ざっくばらん感のある話が面白い!』と感じて、これは1日で読みきらないで、少しずつ楽しみながら読みたいなあと思ったのでした。
なんというか、吹っ切れてる感がすごく感じられるというか、でも、それはヤケクソ感の吹っ切れてる、ではなくて、ある種の達観しているような空気感のある吹っ切れてる感で、それが読んでいてとても面白かったです。
井川さんは大王製紙の御曹司で、もう生まれた時から社長を継ぐ宿命だったような方で、会長になってからカジノに106億円突っ込んじゃって捕まってしまうのですが、その振り幅を生き抜く強さに感嘆でした。
日常で感じるタブーがちっぽけに感じる
普通に生きていて、生活していて、その中で『あれはやっちゃいけない』『これはやっちゃいけない』とかいろいろあると思います。
目に見える物理的制約、目に見えない精神的制約問わず、そういった色々を感じる中で、言ってみれば普通の生活からは想像の及ばない遠い向こうの、一般からするととんでもない次元での「やっちゃいけない」を通過して、生き抜いてきたその話は、ある種の吹っ切れを読み手の人にももたらしてくれるように感じます。
刑務所内での生活について読むのは、それだけで新鮮
この本の中では、刑務所内での生活について、例えば栃木の喜連川と長野の刑務所それぞれの「ご飯」の話が出たりするのですが、その刑務所によっての「ご飯の大きな差」は非常にマニアックな話ですが(笑)、新鮮で面白かったです。
また、刑務所での生活リズムや生活スタイルについての話は、例えば夜9時就寝だったりとか、その他諸々の規則にしても、非常にハードで、それを読みながら自分の生活と無意識に比較した時に、自由さ加減や普通に暮らせていることに対して、いつの間にか物足らなさを感じてしまったり、もしくは何も感じなくなってしまいがちですが、その有り難みをしみじみと感じました。
個人的な勝手な話
井川さんの以前の写真も調べて拝見したのですが、個人的には今の方が風格が溢れているというか、どっしり感と透き通った涼しさと威厳を感じて、格好良く感じました。
これまで、雀鬼と呼ばれる桜井章一さんの著書も数冊読んできたのですが、個人的には、その桜井章一さんを彷彿とさせる空気感を感じました。
生まれながらにして一流の大企業を継いでいくことが決まっているということは、自分にとって人生の選択権は許されていないようなところがあるわけで、でも、その宿命を腹を括って受け入れて企業経営されてきたわけで、恐らくその立場に生まれたことのある人にしかわからない葛藤は数え切れないんだと思います。
この本の中にもありましたが、それから解き放たれたことによる1つの静かな開放感とある種の自由、「ありのまま」感と、際と際を身を以て潜り抜けてきたことからより研ぎ澄まされた生き抜く力強さのようなものが溢れている本に感じました。
賛否両論ある本なのだろうと思いますが、個人的には本当に読めてよかったと感じた1冊でした。この本よりも先に出版されベストセラーになっている井川さんの本はまだ読んだことないので、その本もぜひ読んでみたいと思います。