相談に乗るときの1つのスタイル〜『シニアの品格』でわかる〜

ご覧いただきありがとうございます。

ちょうど1年半前でしょうか、確か新幹線に乗って東北かどこかへ旅行に行っていた時に、その旅行先の本屋でふと目に留まって手にした本が『シニアの品格』(小屋一雄著)という本でした。

落ち着いた品のある表紙とタイトルが気になって、手にしてみたのでした。

『シニアの品格』をスーパーざっくり中身について紹介すると

中身は小説で、主人公の東条(59歳)と老人(88歳)の2人の対話が中心となって話が進んでいきます。

東条はとある日本の大企業のアメリカ支社長まで務めたものの、経営していた現地工場での不祥事が発覚してすべての責任を取り、社長を退いて帰国。ずっと出世街道を歩んできたのにもかかわらず、その1件でおしまい。

その後、日本本社で居場所のなさや居心地の悪さを感じたりとあらゆるモヤモヤにまみれた中で、休日に近所のテニスクラブに通ってテニスをするようになる。そして、そこで出会ったのが老人。

その老人が「古井戸よろず相談」なるものをやっていて、そこに東条も通うようになり、「自分の強みとは何なのか」「これからの時間をどう生きるか」「自分の役割とは何なのか」といったような対話がなされていく。

このような展開で話が進んでいきます。

第1章からわかる相談のもう1つの形

この88歳の老人が落ち着き払っていて、良い味を出していて、相談に乗る際のゆったりとした空気感が非常に印象的です。

何らかの相談に乗るときというのは、2つのスタイルがあると思います。

1つは、積極的に解決策を見出していき、提示していくスタイル。もう1つは、相手の色々な考えや気持ちなどを受け止めつつ、さらにそれらを引き出しながら、その人が自然と自ら解決していけるようにサポートするスタイル

この本で登場する老人は、この後者のスタイルが基本となっていて、「解決せずに、自然と解決される」という空間、空気感を作っています。

相談に乗るときの自分に合うスタイル

「相談に乗る」という1つをとってみても、自分に合うスタイルや自分に合うスタイルの比率というものがあると思います。

たとえば、先述した前者のスタイルで、ドンドンガンガンスパスパ行く方が性に合うなと感じる人もいれば、後者のどっしりしてゆっくりじっくり行く方が合うなと感じる人もいると思います。

ただ、0か100かでもないので、「前者:後者=3:7」のスタイルが合うな、とか、「前者:後者=7:3」のスタイルが合うな、というような自分に合うバランス、比率というものもきっとあると思います。

この後者のスタイルのイメージというのは、なかなか掴みにくいところがありますが、この本の第1章部分を読むだけでもだいぶイメージを掴むことができます。

青山学院の駅伝部の原監督もおそらくこの後者のスタイルかなと思いますので、この後者のスタイルについての理解をより深めたい時には、原監督の著書も合わせて読むとより理解が深まると思います。

自分に合うスタイルを見極められるだけでも、相当楽になる

山に登るときに、いくつもの登山道があるように、1つの同じことを為すとしても(今回であれば「相談に乗る」ということ)様々なスタイルがあると思いますし、様々なスタイルがあっていいと思います。

自分に合わないスタイルだと、こころも体も何倍も疲れてしまうことも、自分に合うスタイルを見極められて、そのスタイルに対しての自信を持てるようになると、何倍もこころ軽やかに爽やかに為すことができようになります。

今回は、「相談に乗るときのスタイル」という視点でかんたんにまとめてみましたが、お役に立つことがあったら嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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