ご覧いただきありがとうございます。
西野亮廣さんの新刊が10月に出ることは知っていたものの、いつ出るのかは知らず、昨日偶然本屋さんに行ったら「新刊」ということで既に出ていました。(本当は4日発売みたいですが1日早かった)
西野さんの前作のビジネス本『魔法のコンパス』はすでに読んでいて、実際にその本は自分の友人やお客さんにもオススメしていました。
中身ももちろん素晴らしかったのですが、表紙の手触りが異様に好きでした。笑
『革命のファンファーレ』の表紙と仕掛け
今回の『革命のファンファーレ』は前作のシックな(?)『魔法のコンパス』のデザインとは真逆で、パンチの効いた真っ赤な本で、西野さんもドカーン前面に出て載っています。
個人的にびっくりしたというか、面白く感じたのは、表紙カバーをめくったときの仕掛けでした。この本の中にも「仕掛けの重要性」というのはふんだんに語られていますが、西野さん自身がこの本でも実際にこういった仕掛けを施していて、これはとても面白かったです。
そして、1番最後の最後にも『えんとつ町のプペル』無料公開ページはこちら、としっかりQRコードで紹介されているところに抜け目のなさを感じました。
そもそも、最後の言ってみれば「本の出口」のところに仕掛けをしている人は多くなく、また、本の中で何かを仕掛けるにしても、打ち込むのがめんどくさい「URL」だったりすることが多いように感じます。そうなると当然「めんどくさい」から、わざわざURL入力して飛ばないわけなんですよね。
あとは、URL飛んだ先にあるメリットがさほど感じられなくて飛ばない、ということもあります。今回の西野さんの本の場合、多くのページを割いて『えんとつ町のプペル』の話が中でされているわけで(かかったあらゆるコストや販売戦略や完成までのストーリー、絵本業界での異例の売れ行きなど)、その上で最後に「手軽なQRコード」で「さあ、いらっしゃい」なので、そりゃいきますよね、みたいな。笑
本当に丁寧に作り込まれています。
地に足のついてる空想、空想の現実家
本の中身で個人的にやっぱり面白いなと感じたのは、「地に足のついてる空想」「空想の現実化」「空想の現実家」という空気感のあるところです。実際は全然空想じゃなくて「現実」としてやってきたこと、やっていることをまとめあげられているので「現実」なのですが、空想、ファンタジーの面白さ(それほど一般的には破天荒と感じられること)を感じさせる空気感があります。
現実を現実として堅実に話すだけだったら、それはただ堅苦しくてつまらないわけで、だけど空想を空想としてふわふわしっぱなしの状態で話されてもそれはそれで落ち着かないわけで。笑
その点、圧倒的空想と圧倒的現実を思いっきり結びつけて「現実」にして話が展開されていくので、現実的に面白い。
そんな印象です。
実況中継という感じ
実際に前作のビジネス書が10万部以上、絵本も30万部以上、独演会4000人以上と、具体的に実践しながらその背景にある考え方をまとめているのですが、完全に完成されたものを綺麗に語っているというよりは、「生のもの」を鮮度良い状態で今語っている、という雰囲気があります。
『今までこうやってきたよ、時代はこうだと思うよ、だから自分はこれからもこうやっていくよ、見ててね』
みたいなそんな印象です。その中で、『これはきっと、みんなにも役立つから適宜おすそ分けしながら進んでいきまーす』みたいなそんな風に感じます。
これが、なんだか実況中継のようで面白いです。
最後は優しさ
短い言い切りの文とセットで、それに関する具体的な話が展開されていく形式なのですが、最後の↓には優しさを感じました。
この本は、これから何かしていきたい、どうにか切り開いていきたいと感じる人の背中を押す(時には蹴飛ばす笑)感じで書かれていますが、最後のこのフレーズは、「気合いでなんとかしろよ」というただの根性論ではない、もう1歩踏み込んだ、具体的な行動力を高める一種の方法論であって、かつ、無意識のうちに自然と「結果的に」勇気が湧くようなフレーズです。
腹をくくって、現実的にアートをしている人
僕の西野さんの印象は、「腹をくくって、現実的にアートをしている人」という印象です。福山雅治さんも、「役者として活躍して名を売ること」を音楽をしっかり売るための手段として取り入れて、「しっかり音楽を売る」ということを実践されてきていますが、個人的に勝手にそこに似たものを感じます。
アート寄りの人はこれを読んだら、反発心ももしかしたら抱くかもしれませんが、反発心が生まれてもそれはそれで有意義だと思うので、そういった人にも読んでもらいたい本だなと思います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。