ご覧いただきありがとうございます。
窪田正孝さん主演の『東京喰種』の映画を
今回、観て来ました。
マンガ原作(:re除く)を読んでから、
映画を観に行きました。
結末などはお話しないつもりですが、
一部ネタバレになってしまう可能性もありますので、
『まっさらな状態で楽しみたい!』
という場合には、ご覧いただくのを避けていただくか、
ご鑑賞後、ご覧いただければと思います。
Contents
『東京喰種』あらすじ
人間と人を食う喰種(グール)が住む世界。
喰種は見た目は人間と変わらず、見分けがつかない。
ただ、喰種は人間を食べて生きなければならないため、
恒常的に殺人を犯す。
主人公のカネキは、人間として大学生をやっていたが、
ある日、喰種に襲われた際の事故の後の手術で、
半人間・半喰種になってしまう。
そんなカネキが日常的に喰種と人間と関わりながら、
喰種と人間をそれぞれ理解しようと苦心し、
自分の存在意義と世界のあるべき姿を模索する物語。
紹介で知ることになった『東京喰種』
僕の場合は、原作を読んでから、実写映画を観ましたが、
元々は、東京喰種という作品のことは知りませんでした。
僕自身、小中高生の頃はあまりマンガを読むことがなく、
ここ2、3年で徐々に読むようになり(単行本中心)、
読んだ作品はまだ20〜30作品という感じで、
言ってみればマンガ初心者と言った感じです。
ただ、その分、マンガを読む習慣がそこまでない方にも
参考になる部分はあるかなと思います。
さて、そしてこの東京喰種ですが、
僕の場合は同時期に2人に勧められたのが
きっかけで、手に取ることになりました。
1人は20代後半の女性で、
もう1人は20代半ばの男性。
「闇や冷酷さというものについて
とても考えさせられる作品」
というような話を聞いていました。
男性には
「すごく重たくてダークだよ?笑」
とも言われていました。(笑)
ただ、個人的には考えさせられる作品は
好きなので、手を伸ばしてみることにしました。
また、同時期に違う人(性別も違う人)から
同じ作品の話を聞いた、ということで
『これは面白いのかもしれない』
と強く感じたのも手に取る理由となりました。
原作と実写映画について
先にも書いた通り、原作を読んだ後、
実写映画を観ました。
キャストについて
実写映画化されるときに気になるのが、
どの役をどんな人がやるのか、
ということです。
これまでにもいくつかマンガの実写映画化されたものを
観たことがありますが、やはり、中にはマンガのイメージと
異なる主人公やキャラクター、というのもあったりします。
今回の東京喰種では、どうなのかなと思いながら観ました。
結論としては、全体的にはとても良かったように感じました。
大泉洋さん演じる真戸呉緒
大泉洋さん演じる真戸呉緒は、あの奇抜さといいますか
髪型含めエキセントリック空気感が、なかなかに再現が
難しいところではあるなと感じましたが、それでも、
大泉洋さんの精一杯の演技によってカバーされていたように
思います。
ただ、個人的にはやはり大泉洋さんの柔らかなイメージというか
優しい丸みのあるイメージがあって、なかなか原作の真戸呉緒の
鋭さの再現というのは難しいように感じました。
鈴木伸之さん演じる亜門鋼太郎
これはとても絶妙な配役だったように感じました。
亜門さんの鋭さ、芯の強さ、ルックスの良さ、
スタイルの良さ、そういった諸々が
マッチしているような印象を受けました。
違和感少なく、亜門さんを楽しむことができました。
窪田正孝さん演じるカネキ
主演の窪田正孝さんです。
主演はやはり一番登場シーンも多いですし、
映画全体のイメージも決定づけますので、
とても大事な要素となるところと思います。
窪田正孝さんはこれまでにも『デスノート』の
夜神月役もやっていたり、そういった少しダークといいますか、
ミステリアスで薄暗い役もやってきた方だったので、
結構いい感じかなと何となく思っていました。
もちろん、賛否両論あるとは思いますが、
声のトーン、オドオドとした感じ、
時に見せる眼光の鋭さなどは
とても良かったように思います。
原作マンガを先に読んでいると、
マンガを読んでいる最中にキャラクターの声が
自分のイメージとして再生されたりすることが
あると思うんですね。
で、今回の東京喰種のカネキの窪田さんの場合、
窪田さんの声の感じが、マンガを読んだ時に
脳内再生される声と非常に近いものがあったので、
本当にすんなり違和感なく耳に入って来ました。
これが1番大きかったかもしれません。
番外編:桜田ひよりさん演じる笛口雛実
桜田ひよりさんという女優さんは、
今作で初めて知りました。
多少原作とイメージが違うところがあるかな、
と感じるところもありましたが、ヒナミちゃんの役は
残酷な場面を幾度となく目にして取り乱すという
表現の難しいシーンが多く、本当に難しいもののように感じました。
そんな中、鬼気迫る迫真の演技で、映画を観ている最中も
何人ものすすり泣きが色々なところから聞こえるほど、
心に訴えかけてくるような素晴らしいものでした。
ストーリーの違い
原作は14巻ありますが、映画では約2時間という尺に
収めなければならないというのもあるので、
どうなるのかなとは思っていました。
また、原作とどういった違いが作られるのかなと
思っていました。
2時間という枠組みの中なので、やはり、
物語はリズミカルに進んで行きました。
カネキをはじめとした、登場人物の心の葛藤などは
原作に比べると少しさっぱり目に描かれている印象です。
ただ、マンガに比べ、人間を喰べるシーンや、
人間の肉をカネキやその他登場人物が手にするシーンは
目を背けたくなるほどに、非常にリアルだったため、
そういったセリフ以外の部分で、カネキの葛藤の強さなどを
間接的に感じることはできたかなと思いました。
ストーリーとしては、やはり2時間の尺なので、
14巻分は収まらず、そして、間を端折って
14巻のクライマックスまで描くというのではなく、
1つ目のストーリーの区切りみたいなところまでを
できる限りしっかりと描き切る、というような作りでした。
ただ、マンガで後半になるにつれて鍵になってくる、
ある意味ではこの作品のコアとも言える部分である、
「人間と喰種の雑種となったカネキが
『自分の存在意義』と『世界の理想』を見出し、
それを使命として突き進んでいく」
という部分の描写は少なかったように感じます。
映画館の入り(地方)
今回は、お盆明けの8月17日(木)に行ってきました。
茨城のどでかいモール内にある映画館で、
13時の回だったのですが、200席くらいある中で
お客さんは20%くらいの入りだったように思います。
お盆休みは明けていますが、中高生、大学生は夏休み中なので、
学生のカップルが多かったように思います。
『東京喰種』が問いかけること
「生と死」という日常生活の中では
一般的にはなかなか触れる機会の少ない場面が
幾度となく繰り返されます。
人間(または喰種)の生と死の狭間にいるときの
極限状態の精神模様が描かれています。
映画の中ではあまり触れられていませんでしたが、
「人間と喰種のどちらでもなく、どちらでもある」
ということから、当初は見つからない自分の(心の)居場所、
見つからない自分の存在意義、存在価値といったものが、
見つけていくというストーリーは、現代人の心の葛藤も
表しているようにも思います。
特に漫画においては、
極限状態で自分の存在意義を見出していく、
そんな姿に心揺さぶられるものがあります。
個人的に特に面白いなと感じたのが、
いわゆるヒーローが悪人を懲らしめる
「勧善懲悪」という話ではなく、
「そもそも善って何だろうね?」
「どっちが善なんだろうね?」
「それって本当に悪なのかな?」
という前提から問いかけてくる作品である、
という部分です。
そして、どちらかを一方的に懲らしめるということではなく、
両者を統合していこうとするようなその思想、その姿勢、
具体的な行動の数々に胸を打たれました。
心優しいカネキがその思いを胸に強さを磨いていく姿は
心に沁みます。
映画『東京喰種』まとめ
ストーリーとしては、原作の半分、真ん中くらいまでかな、という印象です。
カネキが自分の存在意義を問うて見つけていく過程などの心理的描写よりは
アクションシーンなどの外的描写が中心のアクション映画といった色の強い映画です。
なので、絶えず動きがあるような感じなので、流れるように
観ていくことができます。
現代のCGなどふんだんに用いた迫力あるものを中心に、
さらっとまずは観てみたいというときには映画もいいかもしれません。
また、「人間を喰う」ということがどういうことか、
という部分のリアリティは映画によって
非常に鮮明に感じられると思います。
カネキ自身の「存在意義」や「存在価値」の葛藤、
善とは何か、悪とは何か、
相容れないもののがどのような
過程を経て歩み寄っていくのか、
歩み寄ることは可能なのか、
1つになることは可能なのか、
といったような哲学的部分を深く楽しみたい場合には、
原作のマンガをしっかり読むと深く楽しめると思います。
『東京喰種』とスピリチュアル
(執筆中)